皆さんがダイエットをしようかどうか考えるとき、多くの方々が体重計の情報を頼りにすると思います。
さらに、体脂肪や筋肉量を計測することで、体重の構成内容がある程度わかってきます。
このように、私たちは、毎日といっていいほど、数値化された情報をもとに体重管理をしています。
しかし、ココロの状態に関してはどうでしょうか?
今の自分のココロの状態を数値化して…
今日は疲れているから、早く仕事を切り上げようとか…
調子が良いから、大事な案件を片付けようとか…
…という風にはなかなかならないと思います。
そもそも、ココロの状態が数字で見れるということ自体が社会一般に知られていないと思います。
しかし、今や科学技術の進歩により、ココロの声をもある程度数値化できるようになってきました。
私たちのココロは肉体と密接な関係にあり、精神的な活動が肉体上に反映されるものがいくつかあります。
頭、脇、手、足の発汗量、指先の皮膚温、眉間や肩の筋肉の緊張度合、心拍数、呼吸のパターンなどがそうです。
緊張した時、手に汗を握り、心臓の鼓動がはやまり、呼吸も浅くはやくなっていることは想像できると思います。
これらの情報を数値化することで、今の自分のストレス状態が分かります。
ストレスを受けた時の反応の仕方、回復の速さ、何にストレスを感じ、何に喜びを感じるのかも分かります。
こういった技術を活用した応用方法として、
わざとストレス状態を想定し、そのような状態でもリラックスした状態を保てるようなトレーニングも可能です。
それには、今の自分の状態を知るということが必要になってきます。
なぜなら、今、自分は楽しいのか?緊張しているのか?疲れているのか?うつ気味なのか?
それがわからないと、どの方向に自分のココロの状態をもっていけば良いのかが分からないからです。
また、人のココロは時と場所で刻々と変化していきます。
さっきまで知人と楽しくおしゃべりしていたのが、急な仕事のクレームに関する電話が一本かかってきただけで、
ココロは快適な状態から不快な状態へとまっさかさまです。
そこで当研究所では、今の自分のココロの状態がわかるように、
ヨガのトレーニング前後の生理的データと心理的データのレポートをその場で毎回お渡ししております。
そして、その情報を基にお客様に対し、カウンセリングをしていきます。
この作業の繰り返しにより、今まで手掛かりがほとんどなかったココロに関する情報が脳に植え付けられていきます。
私は、伝説の格闘家ヒクソン・グレイシーさんと直接お会いさせていただいたことがありますが、
彼は日常的なヨガ・トレーニングのおかげで、今の自分の状態を良く知れるようになれたと言っていました。
自分の状態を良く知るということは格闘家にとってはなくてはならない能力だそうです。
具体的には、調子が良い時は何も考えず、体の動くまま、本能の赴くままに戦い、
逆に調子が悪い時は、自分の判断に任せてしまうのは危険であり、
そういった場合は、自分の習得した柔術の基本理論に従って相手を追い詰めていくそうです。
近年、犯罪捜査の現場でも科学技術の飛躍的な進歩により、
犯人の特定に対し、科学的な物的証拠が役立てられています。
このように、生体情報はうそをつかないという利点をストレスマネジメントやカウンセリング分野でも大いに取り入れられていけば、カウンセリングを受ける側も納得しやすく、
また分かりにくいココロのトレーニングに対する動機づけも高まっていくと思われます。
今後は、ウェイト・トレーニングで何キロ持ち上げたというように、
ココロへのトレーニング効果を数値化した
「ココロ版ウェイト・トレーニング」みたいなものが広まっていくと良いですね。
– 株式会社サイバー・ヨガ研究所 代表 辻 良史 –