いらないものを整理していくとココロが落ち着いていくそうです。
人間の脳は、結局のところ、一つの対象にしか集中できないようになっていますので、
当然、対象となるものが周りから減っていくほどに集中力は増していくと思われます。
ですので、ココロを整理する目的でのヨガや禅の場合も、部屋に余計なものは置きません。
私のスタジオのトレーニングルームもイスとモニターだけです。
とてもシンプルです。その方が、集中的にトレーニングに打ち込めるからです。
きちんと物が片付いた部屋で仕事や勉強をするとはかどるのも、
目に映る対象が減るために集中力が高まっている証拠です。
ヨガの修行には、昔から、ろうそくの火や文字、絵を見つめるなどの一点集中行があります。
これは、本格的な瞑想の前段階トレーニングとして、
長時間の瞑想に耐えれるように脳の集中力や持久力をつける目的で取り組まれています。
実は、この一点集中ヨガは、競技スポーツ分野において頻繁に活用されています。
一点に意識を集中させることで外部状態に惑わされないで注意・集中を高める効果が期待できるそうです。
マリナーズのイチロー選手が打席に入った後、
バットを高く掲げ、バットをじっと見つめる動作もこの理論を応用しています。
また、テニス選手がポイントの合間にラケットのガットを見つめる動作もこの効果を期待してのものです。
何も、ガットの位置を直すことを目的にしているのではありません。
こんな、簡単な方法ですが、実際、テニス界のカリスマと呼ばれたアンドレ・アガシ選手はこの方法で才能が開花されました。
彼は、天才肌と呼ばれ、プレー中に観客と話し込んだりしながらも、結果をそれなりに残していました。
しかし、さすがにプロの世界は厳しく、ある程度は活躍できても
グランドスラムと呼ばれる大きな大会で優勝できるほど甘くはありません。
そこで、彼のメンタルトレーナーは、試合中の彼の集中力を高めるために、
試合中は観客と話す行為をやめさせ、そのかわり、ポイントの合間にガットを見つめるように指導しました。
結果、もともとの潜在能力の高さから、才能は一気に開花し、
テニスの4大大会を全て優勝するという競技人生を歩むことになりました。
もちろん、このことだけがその後の輝かしい競技人生の勝因ではありません。
しかし、トップアスリートの共通点は皆、部屋がきちんと片付いていることでよく知られています。
つまり、普段の生活から目に映る対象が少ないことから、
一点集中ヨガに近い効果が得られ、集中力が高まる生活を送っているといっても過言ではありません。
部屋が整理されているから精神が安定しているのか?
それとも
精神が安定しているから部屋が整理されているのか?
これは、おそらく両方の要素がお互い影響し合っての相乗効果なのだと思います。
お坊さんも毎朝、掃除をします。宝塚歌劇団の方々も毎朝徹底した掃除で知られています。
その結果、「清く・正しく・美しく」が保たれているのかもしれません。
ココロにゆとりを取り戻したい時や、仕事に集中したい時など、
一度、部屋の状態を見直してみるのもよいかもしれません。
– 株式会社サイバー・ヨガ研究所 代表 辻 良史