「火の呼吸」で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です。
弓聖と称されていた阿波研造師範は、
暗闇でも矢を的の真ん中に当てるだけでなく、二本目もその刺さった矢に当てることができた逸話が残っています。
阿波師範は、弓を射る前に丹田呼吸を徹底して行っており、弟子にもそれを徹底させました。
そして、弓道はスポーツではないので弓を射るときに真ん中に当てようと「結果」を意識しすぎてはいけないとも述べています。
徹底的に丹田呼吸をしたり、うまく真ん中に当てようと思わないこの考え方は、「マインドフルネス」といいます。
「マインドフルネス」とは、過去や未来に目を向けるのではなく「今」に集中するための修行法です。
お釈迦さんが非常に重要視していましたね。
お釈迦さんも丹田呼吸を推奨していましたが、それはリラックスが目的ではなく、
息が身体の中に入ってきたり、出て行ったりする感覚を常に追いかけ、意識を「今」に集中させることが目的でした。
科学的に、ゆったりした呼吸法をするとリラックスできるということが分かってきてから、
この「マインドフルネス」という概念が薄れてきてしまったように思えます。
しかし、呼吸法は「今」に集中するためのトレーニングであり、
副交感神経が活性化するというのはどちらかといいますと
メンタル面においては副次的な効果というスタンスで捉えておく方が混乱をせず良いかと思います。
矢が真ん中に当たるかな…?、当たったらいいな…、外れたらどうしよう…
…こういった考えが頭に浮かぶということは、「結果」に意識が向かっている状態であり、「今」に集中できていない状態といえます。
ですので、阿波師範は、「今」に集中するために弓を射る前に徹底的に丹田呼吸を行ったのだと思われます。
阿波師範について書かれたこの『弓と禅』は、スティーブ・ジョブズの愛読書だったということが知られています。
スティーブ・ジョブズもやはりすごい方ですね。
この本は少し難解といえますが、ヨガや禅の本としては個人的に最高の良書だと思っています。
特に心理描写がヨガや禅をやっている人にしか表現できないことが書かれています。
是非、一読をお勧め致します。
本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
東京都 港区 田町【無敗脳ヨガ道場】辻でした。
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