火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
今週で禅道会様,東邦大学,サイバー・ヨガ研究所の共同プロジェクトがひとまず終了しました.
最終日は介入は行わず,脳波の計測とパフォーマンステスト,心理テストの実施のみ行われました.
脳波計は,19チャンネル仕様の「QEEG」.
つまり19箇所の脳波の状態をリアルタイムに同時計測できるということです.
fMRIやPETスキャンなどは,脳の奥深くまでの状態を確認できますが,秒単位の時系列的な計測は行えません.
さらに,今ではかなり軽減されてきてはいますが,計測する際,閉ざされた空間での一定時間の静止が必要となり,
それ自体がストレスとなってしまい,正しい計測を行うことが難しくなってきます.
最近,抑うつ検査に使用されている「近赤外分光法(NIRS)」は,時間分解能に優れていますが,
神経の興奮が起きてから2-18秒後のデータ計測となり,脳波計より時間分解能が劣ります.
それは,脳波計のように神経活動に起因する電気活動を直接計測しているわけではなく,
毛細血管中の酸化ヘモグロビンの量の増減を計測しているからです.
また,大まかに神経が活性化しているかどうかということしか分からず,
脳波計測のように脳の覚醒水準まで分析することはできません.
やはり,脳波計は最も歴史の長い脳計測機器であり,信頼性はピカイチです.
測定する側は,機材の様々な特性を知った上での計測が望まれます.
脳波キャップ装着完了!
実写版「エイトマン」ですね.
もう少しファッショナブルな脳波キャップはないものだろうか…?
安静・開眼&閉眼の状態を基準に様々なタスクを行ってもらい,その変化を確認.
安静状態だけの計測では,パフォーマンス研究としては,あまり意味がありません.
①安静状態②ストレス課題遂行時③ストレス回復時
最低この3つのフェーズの状態比較が必要となります.
その他,たくさんの必須計測項目があります.
合わせて5種類の心理テストの記入を行っていただきました…何もこのような所で…
心理テストも様々なものがあり,世界的スタンダードなものを使用することが重要ですが,
用途に合わせて選択するところに計測する側の知識が問われます.
項目数が少ない心理テストから記入することが重要です.
その方がストレスが軽減されるからです.
人間相手の計測の場合,少しの違いが大きな違いとなってきます.
この方は,持病により4ヶ月前までは,歩行すら困難な状態だったのですが,現在はこの通りです.
ヨガやニューロフィードバックの定期的なトレーニングにより,運動と関わる脳機能が改善されたことが示唆されます.
改善に関わる分子メカニズムに関しては未解明ですが,一先ず結果オーライです.
朝から夕方にかけて行われた計測が終わり,まったりモードです.
最後に皆様と記念撮影をパチリ.
この4ヵ月間,皆様それぞれの立場で時間をやりくりしていただき,
何とか週2回の介入を猛吹雪の日も休むことなく継続することができました.
私に関しては語り尽くせないほどの多くの気づきが得られました.
そして,今回,「分析」というものがいかに重要かということを再確認できました.
定期的な分析を行わないと,その状態からどのように改善・修正していけばいいのかというストラテジーを構築することが困難であり,
行き当たりばったりの根性論トレーニングとなってしまいます.
今,「何を持ってパフォーマンスが向上したといえるのか?」その部分に関する分析を徹底的に行っています.
分析に関しては,本当に日々進化し続けていると思います.
…夜景に向かい,更なる進化を己に誓う…
研究に協力してくださった皆様,この4ヵ月間どうもありがとうございました!
Thank you very much!! 〜 to be continued 〜