錦織選手,長い連戦大変お疲れ様でした.
そして準優勝おめでとうございます!
今日の決勝は残念な結果となってしまいましたが, 日本テニス界にとって今回の活躍はあまりにもかけがえのない出来事,歴史となりました. 人間はやはり潜在的な自己イメージで支配されています.
日本人でも出来るんだ,世界と戦っていけるんだというイメージが若い世代にも伝わっていったのがとても大きなことです.
子供心に今回の結果は必ず脳の記憶に深く刻み込まれ次の世代の躍進に必ずつながるはずです.
これは,野茂投手がメジャーで日本人としてはじめてチャレンジをして成功した時と同じレールを歩むことになると思います.
あの野茂選手の活躍のおかげで, 日本人がメジャーで活躍する原動力となり,そこから今のサッカー選手の海外での活躍にもつながっていると思います.
私は,90年代以降の日本人アスリートの海外での活躍の全ての始まりは,野茂投手のおかげだと思っています.
今回の試合内容に関しては,もうニュースの通りですが, チリッチ選手の方が試合前のインタビューでもリラックスしており,対して錦織選手の表情は少し硬かったですね.
それがそのままプレーにも現れ,チリッチ選手の勢いを止めることはできませんでした.
今回は,ラリーでのボールが明らかにいつもよりも浅くなってしまっていました.
これは,チリッチ選手のボールをラケットの芯でうまく捉えられなかったのですね. 硬さからタイミングが少しではあるのですが全て狂っていたように思えました.
しかし,錦織選手は決して調子が悪いことはなく,チリッチ選手があまりにも良すぎました.
パーフェクトな試合展開でした.
しかも,ファーストサーブの確率も後半は60%を越えており, エースもあれだけ打ち込まれるとどんなに素晴らしいテニスプレーヤーでも手も足も出ません.
錦織選手はまだ24歳です.
今後,グランドスラム大会において充分優勝を狙える選手です.
なぜなら,今のビッグ4と呼ばれる選手とは対等に戦えるからです. 怪我がなければ,TOP3入りも夢ではありません.
今回の試合の話はここまでにしますが, どのテレビ局も今回の活躍の部分だけを切り取って注目しているのに正直違和感を感じています.
みんなが見たいものを放送するのは当然の流れなのですが, 錦織選手のような選手が誕生したのは偶然でもなく,今に始まったものでもありません.
そこには,松岡修造さん や小浦猛志さんなどが中心となって 20年以上かけて日本のテニス界を改変してきた長い長い歴史があるのです.
こういった裏で日本のテニス界を支えてきた方々の報道ももっとされるべきだと思います.
錦織選手のテクニックはどれも素晴らしいものです.
しかしそこだけじゃないのですね. みんなの想いがのっているのです.
…いずれにしましても錦織選手,余りある勇気をありがとうございました!