2020/10/09 カテゴリ:ブログ

「ゾーン」は目指すべきではない

最高の精神状態としてゾーンがよく話題に持ち出されます.

 

巷にも誰でも「ゾーン」に簡単に入れるといった文言の書籍もいくつかあります.

 

残念ながら,これは大きな誤解といえます.

 

なかなかその状態になれないからこそ神がかった精神状態として語られるわけです

 

そして,「ゾーン」を体験したことのあるアスリートがいる一方で,体験したことのないアスリートも大勢います.

 

むしろ,体験したことのないアスリートの方が大半ではないでしょうか?

 

体験したことのあるアスリートも競技人生において,1,2度ではないでしょうか?

 

つまり,その精神状態を目指すことは,到底現実的とは言えないわけです.

 

ただ,興味深いのは,ゾーンを体験したことのあるアスリートの数百人のインタビューで分かったことは,ゾーン状態では,皆,共通した同じような感覚を体験するという事です.

 

ですので,人の脳の中では,何かしらの条件が揃ったときにそうした神がかった精神状態が訪れる可能性,機能が眠っているということも十分考えられます

 

しかし,その条件というのは,前日の睡眠時間や食事内容,当日の気温,疲労度合など,いくつもの要因が組み合わさった時に誘発されるとなると,

 

やはり自発的につくりだすことはとても難しいことだと思われます.

 

そこで,私の所では,「ゾーン」に近いリラックス&集中状態,中覚醒状態を目指すことをお勧めしています.

 

「ゾーン」がピンポイントの「点」だとすれば,「中覚醒状態」は大体そのあたりの「面」だといえます

 

脳波でいえば,ローベータ波(12-18Hz)のあたり.

 

ベータ波といえば,緊張やストレスに関連する脳波のイメージがありますが,

 

ベータ波の範囲は広く,ハイベータ波(19-36Hz)に対し,ローベータ波は,仕事やスポーツなどの集中を要する場面に非常に最適な脳波なのです.

 

 

この脳波にコントロールすることは,トレーニング次第ではそれほど難しいことではありません.

 

基礎トレーニングとして,安静状態でのコントロールがある程度できるようになれば,ストレスがかかった状態でもコントロールできるように目指していきます.

 

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