ストレスがかかると,一般的には呼吸が速くなるイメージがあります.
しかし,暗算やゲームなどの精神負荷作業を行ってもらうと,逆に呼吸回数が減るクライエント様が何人かの確率でいらっしゃいます.
これはどういう状態なのでしょうか?
リラックス状態になると,呼吸が穏やかになってゆったりするイメージがありますが,そうであれば,上記の状態はリラックス状態ということでしょうか?
これは,手元のデータだけを見ていると分からないのですが,測定中に横で観察していると,作業に夢中になり,息が止まってしまっている方々なのですね.
脳波や心拍,呼吸活動,筋電図などの測定時は,
必ずクライエント様をしっかり観察をし,例えば,咳や,くしゃみをしたり,頭や身体を動かした際は,しっかり測定中にチェックを入れておきます.
そうすることで,後からデータを見た時に大きく心拍や脳波が変化している理由が判別します.
以前,運動中に自律神経成分を割り出すセンサーを取り付け,評価している模様がテレビで映っていましたが,
そもそも,この類のセンサーは接触状態で幾分にもデータが変わりますので,動きが伴うものには向いておらず,ほとんどが皮膚との接触変化によるデータ変化,もしくは汗による影響なのです.
少しでも動きが伴う状態での測定は,安静状態での測定に比べ,体動や発汗が伴ってきますので,測定の困難さが増してきます.
こうしたことを得意としているのは,基礎科学の医学分野よりも応用科学である「体育科学」分野なのです.