「呼吸を知るだけでも体の状態が変わるのが分かって良かった!」
本日は,山口県から整体師の大谷さん がお越しくださいました.
呼吸や自律神経について深く学びたいと思い,私のブログを見てピンときたそうです.
現在もご本人が師事する整体の先生のもとで勉強をしに東京には月に一回来ているそうです.
私も海外で色々と学んできましたが,どの団体で学ぶかではなく,どの先生のもとで学ぶかが一番大切なことです.
本物の先生に習わないと「本物というものさし」が得られず,何が正しくて何が良くないのかということに気づけないからです.
今のヨガの世界が良い例です.
先生が生徒のヨガポーズを直して回り,無理な姿勢を取らせるヨガが横行しているのも,
その先生の先生がヨガの本質を理解していないために起こってきます.
ポーズを直させると意識が外に向かってしまい,内面への集中が途切れてしまい,メンタル面への改善は得られないということになります.
また,トラウマを抱えている生徒さんの身体には触れてはいけないという原則があります.
さて,話を戻しますが,大谷さんからは,カウンセリング参加の前に,
『ストレス・プロファイル』と『呼吸最適化プロファイル』のどちらを受けた方が良いでしょうか?
というご質問を受けました.
『ストレス・プロファイル』は,今現在の自律神経の状態,脳血流検査による前頭機能検査,
心理テストで「強み」や「弱点」を把握するなど心身の状態把握を目的としたカウンセリングです.
それに対し,『呼吸最適化プロファイル』は,最適な呼吸サイクルを特定する分析が目的で,
今すぐにでもリラックスしたい方や,家での実習トレーニングとして呼吸法を活用したい方に適したカウンセリングです.
心身の現状分析なら『ストレス・プロファイル』,日常のリラクセーションの習得には『呼吸最適化プロファイル』.
今回は,『呼吸最適化プロファイル』をご受講いただきました.
※掲載に関しては,ご本人の許可を得ております.
【『呼吸最適化プロファイル』をお知りになったきっかけは何ですか?】
ブログ
【『呼吸最適化プロファイル』のどのような点に興味を持たれましたか?】
呼吸で体質改善.寒気など
潜在能力開発.
【プロファイル後の率直な感想をお聞かせください】
呼吸を知るだけでも,体の状態が変わるのがわかって良かった.
やはり,適当に呼吸するよりも,効率よく短時間効果がありがたい.
【プロファイルへの参加を迷われている方に一言メッセージをお願いします】
プロファイルを知ったご縁を大切に
一度参加してみると価値がわかると思います.
元々喘息持ちで,長くゆっくり吐くということが苦手だったようです.
ただし,かなりスムーズに呼吸が行えておりました.
大谷さんの場合は,5.5回/分と5.0回/分のあたりが最適な呼吸ペースでした.
【5.5回/分】
【5.0回/分】★最適な呼吸ペース(共鳴周波数)!
【4.5回/分】
5.5回/分と5.0回/分はその他,生データを確認してみたところほとんど差がない状態でした.
4.5回/分は,0.1Hz帯域のパワー値も全く高まらず,心拍もとても乱れており,最適な呼吸ペースからは除外されます.
残る5.5回/分と5.0回/分に関しては,ここから「本人の語り」などが重要になってきます.
呼吸のペースを5.5回/分から5.0回/分に変化させた時,「身体が暖かくなり,目が開いた感じがした」と語っておられました.
これは,呼吸ペースがばっちり合った時に起こる現象の一つです.
念のため,他の生理的データからも検証していきます.
【下記グラフの見方】※画像クリックで全体がご覧になれます.
・オレンジ線(一番上): 手の発汗量
・緑線(上から二番目): 指先の皮膚温
・ピンク線(真ん中): 心拍
・紫線(一番下): お腹の動き
【5.5回/分】
呼吸法を行いながら皮膚温(緑線)が低下していっています.
これは,体の中でリラクセーション反応が起こっていないことを表しています.
全体的に心拍の波形(ピンク線)の高さも不揃いです.
【5.0回/分】
呼吸法により,皮膚温が上昇し,心拍も同じ波形をリズミカルに刻んでいます.
【4.5回/分】
再度,皮膚温が下がっていっていますから,心地よさを感じていないということになります.
心拍もかなり乱れており,4.5回/分はかなり苦しかったと思われます.
呼吸が苦しい原因は力みも考えられます.
呼吸(紫線)するのに合わせて,手のひらの発汗(オレンジ線)が増加しております.
これは力んで呼吸法を行った結果,交感神経が興奮して起こってきます.
このように,一部分だけをみると,5.5回/分と5.0回/分は同じような0.1Hz帯域のパワーをはじき出し,
心拍の波形だけでも見分けるのが困難ですが,
こういった場合は補足的に同時計測していた様々な自律神経反応と「本人の語り」も合わせて検討していきます.
今回のプロファイルでは,5.0回/分と4.5回/分では,全く異なるリラクセーション反応を起こしていました.
これは,わずかな狂いがあると共鳴は起こらないということを示し,
リラックスするつもりで行っていた呼吸法が,実は体内では何のリラクセーション反応も起こしていないということを意味しています.