火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です。
昨日から,オーストラリアからMoshe Perl博士が来日し,
「BCIA(バイオフィードバック認定国際機構)」によるNeuroFeedback(ニューロフィードバック)のワークショップが始まりました.
※「BCIA」は,バイオフィードバック分野で最も大きな国際機構です.
「NeuroFeedback(ニューロフィードバック)」とは,バイオフィードバックから派生した分野(厳密には一部)で,
脳(特に脳波)のフィードバック・トレーニングに特化した療法です.
脳波計測は,医療分野では,脳検査の一環として,CTやMRI検査などと合わせて行われます.
「ニューロフィードバック」は,そこから一歩進んで,てんかん発作やADD/ADHDなどの精神疾患の改善や
リラクセーション,アスリートのパフォーマンス向上を目的としたトレーニング法としてアメリカやヨーロッパを中心に発展してきました.
ACミランでも選手のメンタル・トレーニングの一環として積極的にニューロフィードバックを導入しています.
定員の20名を超える参加者です.
精神科,心療内科,小児科,ソーシャルワーカーなどの専門家の方々が集まっていました.
やはり医療関係者が多いですね.
スポーツ科学分野からは私一人です.
私はメンタルに関連することならば宮本武蔵の五輪書からヒントを得たり ,本物のヨガを求めインドに行ったりと,あらゆる方面からアプローチをします.
このエネルギー量だけは自分でも驚かされます.
いずれにしても,様々な専門分野の方々と意見交換ができるのは私にとってとても貴重な機会です.
Perl博士には毎日数多くの専門的な質問をさせていただいています.
一つ一つ丁寧にお答えいただき,おかげ様で様々な疑問が解決されました.
関連論文もたくさんいただきました.
海外の先生は,必ず,自分の発表したパワーポイントのスライドや関連論文を惜しげもなくくれます.
後進を育てるという熱意が日本の先生よりもかなり強いことをつくづく感じます.
論文やスライドほど嬉しいプレゼントはありません.
このニューロフィードバックもバイオフィードバックに続いて導入していく医療機関は増えていくと思われます.
また,ACミランや海外のオリンピックチーム同様にスポーツ科学分野においてなくてはならないトレーニングになることでしょう.
スポーツ・パフォーマンスは,とにかく脳の覚醒水準を最適な状態にすることがとても重要です.
それには,脳波計を使って脳の覚醒水準を調べないとトレーニングをすることができません.
脳を「見える化」した後に集中力に関連する脳波を増やし,注意を散漫にする要因の脳波を減らしたりしていきます.
そのアスリートがどういうミスが多いかで必要とされる脳波は異なってきます.
試合中に呼吸法やポジティブイメージ,セルフトークを行うことが古くからの日本のメンタル・トレーニングのやり方ですが,
実際は試合中に自己コントロールしている余裕はほとんどありません.
肉体に対する筋力トレーニングと同じように,メンタルへのトレーニングとしてニューロフィードバックは今後同じぐらい重要視されてくると思われます.
日本従来のメンタル・トレーニングは,覚醒水準の重要性には昔から言及しているのですが,
実際のコントロール法は,自律訓練法であったり,ランニングだったりします.
この方法では,一時的にメンタル・コントロールできても試合が始まればまたすぐに元の状態に戻ってしまいます.
メンタルは試合当日ではなく,試合までに仕上げるものなのです.
ここが海外と日本のメンタル・トレーニングの大きな違いであり,この点が改善されない限り2020年の東京オリンピックもかなり厳しいメダル数になると思われます.
練習量を増やせば,やり遂げたという達成感は得られますし,自信にもつながると思います.
しかし,それと本番でのメンタルの強さの間にはほとんど関連性がありません.
メンタルを強くするにはそれ専用のトレーニングが必要なのです.
どうしてACミランが具体的なトレーニング・プログラムを公に公開しないかという点を考えてみると,その有効性に気づかされると思います.
東京都 港区 田町【無敗脳ヨガ道場】辻でした.
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