脳波といえば、リラクセーションとしてのアルファ波が一般的によく知られています。 しかし、アルファ波に関しましては、特に目からの視覚情報に大きく左右されるタイプの脳波であり、たとえイライラした状態でも目を閉じた瞬間に有意に発生します。
… そのため、本当にリラックスしている状態かを判別するには、脳波計測以外に合わせて心理テスト(気分指標)や唾液中のストレスホルモンの採取など多角的に考察することが求められます。
このように判別に少し時間がかかることやリラクセーションとの因果関係も一定しないため、 当研究所では、「リラクセーション・トレーニング」としては、アルファ波トレーニングではなく、 「手のひらの発汗(精神性発汗)量」をコントロールすることを重視しています。
手のひらの汗は、自律神経の中の交感神経の働きが強まることにより増加します。その特性を利用したものでは、ポリグラフ(うそ発見器)が有名ですね。
緊張状態で手のひらに汗をかくのは、お猿さんがその昔、木の枝を伝って逃げる時に木の枝をつかみやすくするように体が適応していったという説があります。
また、人間が昔、獲物をとらえるとき、槍を持つ手も少し湿っていた方が槍をつかみやすかったとも考えられています。
同時に足の裏に汗をかくのも、乾いた地面を走って逃げるのに、すべらないように体が適応していったということが考えられています。
ここでもひとつ、注意点があります。 それは、手のひらの汗は、緊張状態だけでなく、「うれしい時」や「イキイキしている時」も同じように交感神経の働きにより増加するという点です。
そこで重要になってくるのが、 精神的に「快適な状態」で汗の量が増えたのか?、または、緊張状態など「不快な状態」で増えたのか? も合わせて判別していく必要があるということです(当研究所では多角的なアプローチにより判別しております)。
いずれにしましても、『手のひらの汗のコントロール』=『自律神経のコントロール』であり、 自己コントロール法としては大変有効的なトレーニングのひとつであることはほぼ間違いないと考えられます。
また、手のひらの発汗と関わっている交感神経の部位は、心臓の働きと関わっている部位とも少し重なっており、 多くのケースで手のひらの発汗の減少とともに心拍も低下していく傾向にあります(手のひらの発汗パターンは大きく4パターンに分かれ、一部例外もございます)。
この「リラクセーション・トレーニング」、実際のプレゼンや商談、競技動作と合わせて行うことで、 生理学的に落ち着いた状態を維持しながら冷静に行動が移せるようになります。
興味がある方は、当研究所の『ボディスキャン・コース(リラクセーション・プログラム)』にどうぞ一度御参加下さい。
楽しみながら自己コントロールが促せるプログラムを多数御用意しております。
– 株式会社サイバー・ヨガ研究所 代表 辻 良史 –