2017'『第45回日本バイオフィードバック学会』レポート
6/10-6/11と二日間にかけて大阪で開催された『第45回日本バイオフィードバック学会』に参加してきました.
初日は,カナダのソートテクノロジー社と,関西医科大学の志田先生,エムピージャパンさんのコラボワークショップ・イベントのお手伝いをさせていただきました.
前日の金曜日に大阪入りし,ソートテクノロジーとエムピージャパンさんの皆様とワークショップの打ち合わせ.
プレゼンターのシダーウッドさんから当日,話したい内容や流れ,タイムマネジメントについて内容を詰めました.
ワークショップの内容は,バイオフィードバックという心身トレーニング法とそれに関連する機器の紹介,最新ウェアラブル自律神経機器『TPS』のデモンストレーションです.
私は通訳としてまた,現場で活用している立場からのアドバイスなどをさせていただきました.
バイオフィードバックが活用されている分野は,
心身医学,メンタルヘルス,リハビリテーション,失禁治療,行動療法,物理療法,ピークパフォーマンス(スポーツ,軍隊,エグゼクティブ),教育,研究,人間工学
と多岐に渡ります.
ソートテクノロジーは,カナダに本拠地を置く企業ですので,カナダのウィンタースポーツにはバイオフィードバックやニューロフィードバックのトレーニングを導入して金メダルを取得した選手は多いです.
この日は,同じ時間帯に別の部屋にて「マインドフルネス」に関するワークショップも行われていましたが,
やはりそこはバイオフィードバック学会,世界を牽引するソートテクノロジーのプレゼンテーションに皆様興味津々.
デンソー女子バレーボールチームのアナリスト鈴木さんにも名古屋からはるばるご参加いただきました.
世界との溝を埋めるために,是非,現場という最前線でのスポーツバイオフィードバックの普及を目指されて下さい!
このウェブサイトでも度々ご紹介させていただいておりますが,下記が最新型自律神経デバイスの『TPS』です.
心拍変動,発汗,皮膚温と3つの信号が測定できる上に電池いらずの充電式でパソコンを介さず,ブルートゥースでタブレットやスマホ上で測定と分析の両方が行えます.
最近では安価なタイプのものも発売されていますが,価格の大きな違いはセンサーの感度と測定項目の種類の多さでしょう.
安価なものは,当然正確なデータ測定は困難になります.
心身医学などの医療分野やトップアスリートは是非,プロフェッショナル仕様の『TPS』をご活用下さいませ.
…
翌日は,自分自身も研究発表を行わせていただきました.
この5年ほど,臨床現場でのトレーニングがほとんどでしたので,その集大成の一部をご紹介させていただきました.
常に測定方法やトレーニングのより良い方法を模索しております.
特にここ最近は,大きくセンサーの取り付け方法や分析方法の変更,見直しを行いました.
お陰様でさらに正確なデータ測定が行えるようになりました.
今回の発表では『ストレスプロファイル』と呼ばれる精神生理学的ストレス検査の有効活用法をご紹介させていただきました.
特に競技スポーツ現場では,安静時のみの心身状態を分析してもあまり意味がないのです.
アスリートは常に競技というストレスにさらされます.
つまり,安静時からストレス時に移行する過程で自律神経系や中枢系がどのような変化パターンを示すかを事前確認する必要があるのです.
そうすれば,試合当日,“ゾーン”に近づくための様々な戦略が事前に立てられるのです.
…
今回の学会では様々な方々のお世話になりました.
この場をお借りして御礼を申し上げさせていただきます.
私自身もたくさんの気づきがあり,海外視察も含め,また参加したいなと思いました.
競技スポーツに関わる指導者やコーチの皆様方は,是非一緒にスポーツバイオフィードバック分野を盛り上げていきましょう!